一般社団法人 千歳青年会議所
第62代理事長 大久保 景右
第62代理事長 大久保 景右
一般社団法人 千歳青年会議所
2025年度スローガン
The Chosen One ~未来への挑戦~
新年のご挨拶
明けましておめでとうございます。皆様方におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
また、平素より一般社団法人千歳青年会議所の活動に対しまして多大なるご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、加速度的に移り変わる今の時代、社会情勢や地域課題は一年、半年という単位で目まぐるしく変化しております。千歳青年会議所では、刻一刻と変化する時代において、社会課題を見極め誰よりも先に動き出し、このまちの未来のために日々の活動に邁進して参りました。本年、2025年度は「The Chosen One~未来への挑戦~」をスローガンに掲げさせていただきました。
千歳市に暮らす子供から大人の方々のみならず、国内外から訪れる皆様にこの街の魅力と価値に触れていただけるまちづくり運動を展開し、「世界のコミュニティがあるまち千歳」に存在する千歳青年会議所のプレゼンスを高めると共に、地域の皆様にとってなくてはならない組織を目指して参ります。
本年が皆様にとって実り多き1年になることをご祈念申し上げると共に今後とも当青年会議所に対しまして変わらぬご指導とご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶に代えさせていただきます。
理事長所信
0から1を生み出す
1949年、青年有志が祖国日本の復興を目指し現在の東京青年会議所となる一歩を踏み出した。まさにその瞬間0から1を生み出し、現在に至るまでその歴史を絶やすことなく進み続け、その想いが全国各地、さらにはこの千歳の地に伝播したのが1964年。ここに千歳青年会議所が誕生したわけであります。先輩諸氏はもちろん市内関係各所の皆様と共に紡がれてきたここ千歳市への大きな愛と情熱のもと、様々な運動が展開されたことは言うまでもなく、その礎がなければ昨年の創立60周年を迎えることもなかったでしょう。私たちはその歴史を胸に皆様への感謝の気持ちを形とし、同じ志をもったメンバーと共に明るい豊かな社会の実現に向け新たに中期ビジョンを掲げました。どの時代にも変革が求められ大きな決断をする瞬間が必ずあり、その時に先導し道を切り開いてきたのが我々青年会議所であります。千歳青年会議所も同様に様々な困難に挑み続け、移り変わる時代の変化、社会情勢、地域課題から目を背けることなく進化を続けてきた事実があります。青年経済人と言われる今の私たちだからこそできる挑戦は時に失敗もあるでしょう。しかし、そこで歩みを止めないことこそ私たちの最大の力であります。成功するまで挑戦を続けるだけではなく、勇気ある変化を何度も繰り返すことが人を変え組織を変え、積み重ねられた分だけ強固な礎となる。私たちが今を生きられているように、未来を生きる次代の人々へつなぐために、まさに今そのバトンは私たちへと渡り加速度的に移り変わる情勢を自らの目で見極め、私たちにしかできない0から1を生み出す時を迎えたのだと確信しております。
はじめに
私はこの栄誉ある理事長という役職を拝命するにあたり、何よりも先に頭に浮かんだものは、こんな自分にこの役が務まるのだろうか。という疑問です。「こんな自分」とはいたってシンプルで何がそういった言葉にさせるのかも理由は明確でした。私は代々受け継がれてきた歴史ある会社に勤めているわけでもなければ、大企業でもない。何があっても安泰と言えるには程遠く、俗に言う水商売を主軸に会社を経営しており、まだまだ発展途上の小さな会社の社長であります。これまで理事長の役を全うしてきた皆様に比べ圧倒的に劣っている「こんな自分」と感じざるを得なく大いなる不安を抱えているのは今この時も変わりません。しかし同時に、大久保景右という男がどのような人間であるかを見つめなおす貴重な機会をいただき、所信として言葉を書き留めながら自分の心の奥底にある揺るがない信念を再確認することができたのは、私にとって人生のターニングポイントと言えるでしょう。「人に迷惑をかけない。人のために優しくありなさい。」誰しもが耳にしたことのあるこの言葉は私が両親から教わった最も大切な言葉であり自分を形成している根幹にあるものです。ですが私はこの言葉とは真逆の生き方をし、17歳の時に大きく道を反れます。それでもなお、変わらず愛情を注ぎ続けてくれたのは他でもなく両親であり家族でした。私は子供ながらにその時決心しました。「これからは自分が返していく人生にしよう」と。両親、家族、全ての関わった人からいただいた温情をお返ししていこうと。目立たなくてもいい、誰かのために動ける人間になると誓いを立てたあの日を私は忘れたことはありません。言葉にすると綺麗ごとのように聞こえるこの言葉こそ私の信念です。果たしてそのような生き方ができているのか、まだまだその結論を出すには早く道半ばであり、自問自答を繰り返す日々であります。そして今、千歳青年会議所の理事長という重責と向き合い私は決意します。断じて自分を卑下しているわけではなく、私にしかできないことがある。私だからできる使命を自分の信念のもと全ういたします。
教育内側:改革と変革
千歳青年会議所のプレゼンスはこの数年で飛躍的に上昇し所属するメンバーも個性豊かな面々で溢れています。そこから生まれる多様なアイデアはまちの発展に寄与してきたことも事実でしょう。拡大の成功から、会員拡大への取り組みは高い基準を維持し一部の人間のマンパワーによる所がありながらもそれを良い傾向として捉えている一方で、組織の基盤に重要な指針となる揺るがない柱が欠けていると実感する瞬間があります。青年会議所には共通の理念があり、その理念のもと地域性に合わせ運動を起こしますが、果たしてメンバー一人ひとりに共通認識としての理念が伝わっているのだろうか。もっといえば、理念を理解することはもちろん、自分自身に置き換え明確なビジョンを描けているかは疑問であり、組織拡大による空洞化が起きていると私は感じます。自分に置き返れば、私は自社にて新入社員への研修を設け、会社の理念や方向性、さらには自社に属することで得られる本人の目標達成へのメリットや夢へのプロセスをリアルにイメージし実現に向け組織と共に人生を歩んでいくよう務めています。組織を理解していただくことはもちろん、一人ひとりの価値観を知り、全従業員の成長へ繋がるためのカリキュラムがしっかりと準備されていることが重要であり、その準備こそ最大の課題でもあるのです。そして、この千歳青年会議所においても正にそのカリキュラムが必要な時ではないでしょうか。個性豊かな人財で溢れる組織だからこそ様々な考えが交錯し、ひとつの方向に向くだけでも簡単ではありません。しかし、一筋の光が見えた瞬間この組織はさらに進化を遂げ、一人ひとりの成功体験が大きな変革を巻き起こすと信じています。青年会議所には成長の機会を提供するというミッションがあります。この組織そのものが柔軟に変化し、個の能力が効果的に発揮できる革新的なプログラムは、青年会議所の枠に留まらず多くの組織に影響を与えることになる。そんな大それたことも実現できる可能性が今の私たちにはある。拡大:選ばれるということ
数字的目標は通過点。至極当然のように聞こえるこの言葉。数字は一番分かりやすい目標設定であり、会員拡大に限らず企業やどの組織においても同じであると考えます。近年の千歳青年会議所における会員拡大は同時進行で全員拡大を掲げ、選ばれる組織としての確立を目指し運動を最大化するための数と様々な価値観から生み出されるアイデアを洗練させる質の両面から推し進めてきました。それはこの先も変わらないでしょう。しかし、実際には一部のメンバーによる実働の結果が拡大人数として表れており、その実状にいよいよテコ入れする時がきたのではないだろうか。さらには100人 LOM を掲げ会員拡大という最大の運動を加速させ、このまちにとって必要不可欠な組織、選ばれる組織となるべく歩みを止めず進んでいかなくてはなりません。では、何をどのように。私自身も含め入会理由は多岐にわたり、これだという正解は実際には存在しないと考えます。確かに、この組織には一人ひとりに刺さる何かがあるからこそ我々の拡大は成功し、その答えを多くのメンバーが日々得ているのだと思います。ただ、多くのメンバーではあるが全員ではない。求めすぎと言われればそれまでなのかもしれませんが、私は全員がその機会と出会ってほしい、この先千歳青年会議所と出会う全ての方がそうあってほしいと願います。なぜ青年会議所でなくてはならないのか、なぜ今なのか。そのなぜの答えを持ち合わせ、全員が当たり前に伝えられる組織であるべきであり、さらにはメンバーの多様化から新たな答えが導き出せる組織であるべきである。人はいつどのように心を動かされるのか、そこへの探求を進めることで千歳青年会議所ならではの人に伝える力を可視化したモデルケースを確立させたい。言葉だけでなく「選ばれる組織」として、外にも内にも今あるプレゼンスをより高みへと引き上げなくてはならない。教育外:我が子に教わる
私は青年会議所に所属するまで、自身に子供が生まれるまで、恥ずかしながら「教育」という視点で物事を考えることはほとんどありませんでした。しかし今思うことは、決まったカリキュラムがあり当たり前に学んでいるこの体制ははたして正解なのだろうかという疑問であります。私は勉強が大の苦手であり学生時代は単純に時間割の数でしか考えてきませんでした。今日は4時間授業、明日は6時間授業、土曜授業。その数で一喜一憂しておりました。私の当たり前であった5教科も今は変化し、もっと言えば義務教育という概念も変わりつつあります。義務として定義されているその内容や、高校進学から新たに加わる授業ですら今の子供達には本当に最適解なのだろうか。その疑問への挑戦は青年会議所だからこそ挑めるのだと考えます。資格なども含め自身が学生の時にはなかった学びが今では数多く存在し、情報化社会のなかICT教育による学び方の幅は広がっている一方で、子供達の選択肢の数が比例しているとは言い難いのも事実であります。当然、ICT教育の普及や、お金を学ぶことなど様々な変化は時代の加速化に順応しているようで、付随する学びには教える立場の知識不足や人材不足などの問題も山積しております。IT リテラシー、金融リテラシーという言葉だけが先行し実践的な教育につながっているのか。世界に視野を広げれば違う文化の中で日本では触れられていない教育カリキュラムも数多く存在し展開されています。我々にしか見えない教育的観点、我々だからこそできる未来を担う子供達への「学び」はまだまだあるのではないか。子供達の教育はもっと自由であってほしい。それは我が子が投げかけてくる親への問いは好奇心旺盛なその時に自ら見つけ出してほしい、導いてあげたいという親心そのもの。青年会議所ができる教育への運動はもっと幅広く、世界を股にかけ多くのことが実現できる。日本の教育の水準は決して低いものではありませんが、その水準をさらに高め世界各国の子供たちが集い、夢を実現できる新たな教育への可能性をこの千歳から広げていきたい。まち:千歳市、北海道、日本、そして全世界へ
私の出身は隣町恵庭市であります。十代の頃は千歳市が大きく見えうらやましく感じていたのを覚えていますが、今では千歳市民として仕事も家族もこの千歳市を中心に私は生活しております。皆さんは千歳市と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。空のまち、水のまち、緑のまち。数多くの魅力を有し自衛隊のまちとしても知られ、さらには予算5兆円を超える次世代半導体の国産化を目指すラピダス株式会社の話題は皆さんの記憶にも新しいでしょう。そんな明るい話題の裏には課題も当然多く、環境問題や住宅問題、さらには市民への経済的負担など今は表に見えていない課題も今後出てくることが予想されます。しかし我々はこれまでも持続可能な地域づくり、住み続けられるまちづくりを目指し活動し運動をおこしてきました。転入出の多いこのまちは地域コミュニティの希薄化が課題に挙げられる一方で、観光資源も豊富であり北海道の空の玄関口として開港100年を控える新千歳空港を有しさらなる国際的な発展も見込まれております。当然、前述の話題も要因の一つとして挙げられるでしょう。多くの魅力を有していると千歳市全体で謳っており、私も素晴らしいまちだと思っていることに違いありませんが、では、もっと人であふれ活性化していても良いのではないか。と少しばかり矛盾を感じていたのが正直な気持ちであります。千歳青年会議所によるまちづくりの運動は地域の課題に向き合い取り組む最適なものであると思いながらも、もっと視野を広げられるのではないか。もっと多角的に、私達だからこそ挑戦できるまちづくりがあるのではないかと。人口増加も現実的に見込まれておりますが、転入出の数値も同様に増加傾向にあることは千歳市の特異性であり、経済を動かす利点でもあります。様々な人が行き交うこのまち特有の経済効果を生み出すためには市外も含む外貨を動かすことが重要であり、正に千歳市が誇る魅力を最大限に活かしたまちづくりにつながると考えます。我々はこれまで数多くの方々と連携しパートナーとして千歳市の内側に焦点を当て数多くの課題解決に向け取り組んできました。その築き上げた強固な連携を活かし道内各地、日本全国、世界へと視野を広げ計画や見込みではなく我々の挑戦による事実としてこのまちの魅力を全世界へ広げてまいります。広報:マーケティングとブランディング
我々、千歳青年会議所の存在をどれだけの人が知っているだろうか。人知れず寡黙に行動することもひとつの美学ではあるが、我々の最大の目的は運動をおこすことである。その効果を高めるためには変化の多いこの時代に置いていかれることなくブランディングを確立させ、最大化するための適切なマーケットを見極める力が必要不可欠となります。運動を最大化するためにはこの 2 点が重要であり、この組織は様々な挑戦から効果的な広報を身に着け、今では媒体も多岐にわたり千歳青年会議所の活動が市民の目に入る機会も増えてきました。しかしながら、組織である以上広報に重要なスピード感を出せないことも事実です。一方で、いち早く情報をキャッチし、原因を突き止め課題を抽出するのは私たちの専売特許でもあります。広報だからこその多様性を見出し、一番身近な市民は何を求めているのか、市外道外の人々は。全国の人々、世界の人々は何を欲しているのか。そこにマッチした方法で我々の運動の発信がなされることこそ、最大の効果をもたらすと考えます。SNS を中心とした発信は自分たちのわがままな発信になってはいないか。我々の発信がまちの魅力を多くの人に伝え、千歳市の活性化にもつながる新たなプラットフォームとなり、同時に組織のブランディングが高まることで認知から共感、千歳青年会議所ブランドの価値が確立されるのです。私たちがまちの広報担当となり市民や各地の人々からの問い合わせが鳴りやまない時、きっとこのまちにとって千歳青年会議所の存在価値は次なるフェーズを迎えるでしょう。総務:スペシャリストであれ
この組織は会員数の増員と共に今まさに組織運営における変革の岐路に立っていると考えます。青年会議所は時代を遡れば所属するメンバーは一歩外に出れば自身の組織を統率するトップリーダーであり、経営者である人間が多く千歳青年会議所も例外ではありませんでした。職場では立場と責任を全うし日々邁進する姿に従業員自身の理想のリーダー像を重ね、信頼から生まれる行動力が組織を強固にしているのです。しかし今はどうでしょう。個人事業主や女性会員、子育て世代の人間も多く所属しております。かくいう私も組織の外に出れば一人の父親であります。そんな多くの人財が千歳青年会議所という組織に属し、膝をつき合わせ生み出される力はこの先も地域の課題を解決し続けるでしょう。当然、メンバーは地域のことはもちろんこの組織そのものがより良くなることも考え多くの議論が重ねられていますが、私は運営の根幹を支えるうえで重要かつ明確なことは統制力と説得力だと考えます。全ての思いや考えを受け入れるのが正解ではなく様々な考えを基に統制をとることが重要であり、そこには圧倒的な説得力を要します。整備されたガバナンスのもと委員会、諸会議や例会、事業が開催されることが当たり前ではありません。そこに至る過程においても一つ一つに意味と理由があることを示さなくてはならず、担いを全うする一人ひとりの立場に責任が生まれ、責務を背負い実践を重ね得た誇りと自信が本人と組織を成長させるのです。会議所という名の通り厳格な会議の重要度を改めて理解し、それぞれの担いに自信とリスペクトをもちましょう。あの人に相談すれば、あの人に聞けば。運営の根幹を担うスペシャリストが統制する組織は可能性に満ち溢れています。おわりに
失敗から学ぶとはよく言ったものです。本当なら誰も失敗なんてしたくないはずですから。ですが挑戦に失敗はつきものです。挑戦した人間にしか失敗という経験はできないのです。そして、挑戦した人間にしか成功もありません。私は失敗したことではなく、その成功をしっかり見られる人間でありたい。一人では足がすくむことも仲間となら踏み出せる。私はメンバーと肩を並べて切磋琢磨し挑戦し続けます。どんなに小さなことでもいい、目標をもち実現しよう。それが明日なのか1年後なのか10年後なのか、それは自分次第だ。選ばれた私たちは自分の背中を見ている人がいることを忘れないでいよう。隣にいる仲間かもしれない、家族かもしれない、従業員かもしれない、この地に住まう人たちかもしれない。誰に見られても恥じない誇れる自分でいよう。自信をもって、自覚と責任をもって。そんな人財が集まる組織は、どんなことも乗り越えられる。私は自分の可能性を信じています。そして、一人ひとりの、このまちの可能性を信じています。The Chosen One
選ばれし組織
選ばれし自分
日々、自問自答する
その自覚と責任はあるか